苦肉の策
読み:くにくのさく
「苦肉の策」とは
苦肉の策とは、困難な状況を切り抜けるために、自分自身に何らかの犠牲や痛みを伴うことを覚悟の上で絞り出す、他に方法のない苦しまぎれの手段のことです。元々は戦術などで自らの体を傷つけて敵を欺くような計略を指しましたが、現代ではビジネスや日常生活において、万策尽きた状態の中でやむを得ず選択する苦渋の決断や代替案全般を広く表す言葉として使われています。
使い分けのポイント
「苦肉の策」は、単に「よいアイデアがないこと」ではなく、「何かを犠牲にしたり、リスクを冒したりして、他にどうしようもない状況で絞り出す」という切羽詰まったニュアンスを含みます。そのため、ポジティブな計画や、十分に検討を重ねた上での自信のある提案に対して使うと不自然になります。ビジネス文書などでは、「窮余の一策」や「苦渋の決断」と言い換えることで、よりフォーマルかつ深刻な状況を的確に伝えることができます。
「苦肉の策」の言い換え・類語・関連語
他に打つ手がなく、とりあえずその場しのぎで考え出した手段を表す類語です。
追いつめられた状況の中で、やっとの思いで考え出した一つの有効な手段を指します。
これ以上後がない状況で実行する、最もリスクを伴う最終的な方策です。
犠牲や不利益を被ることを前提として実行せざるを得ない選択を表現します。
本意ではないが、状況に押されて実行せざるを得ない公式な対応を指します。
つらく悩んだ末に、非常に難しい判断を下すことを表す言葉です。
一時的な急場を逃れるために、その場だけを取り繕う対応を意味します。
元の計画が頓挫した際などに代わりとして用意する別の計画や案です。
自分の本心や希望とは異なるものの、選ばざるを得ない状況を示します。
普段は隠しておいて、いざという肝心な時にだけ使うとっておきの手段です。
ビジネス向けの言い換え
仕事・メールなどで使いやすい表現です。
予算不足を解消するため、今期は広告宣伝費を削るという窮余の一策を選んだ。
これ以上の納期遅延を防ぐため、他部署からの応援要員を募るやむを得ない措置をとった。
長年続けてきた不採算事業から撤退するという苦渋の決断を下した。
メインシステムの導入延期に伴い、既存システムを一時的に改修して運用する代替案を実行する。
セキュリティ上の脆弱性に対する完全な修正には時間がかかるため、一時的な応急処置を施した。
丁寧な言い換え
相手への配慮を強めたい場面に向く表現です。
そのような状況下におかれましては、さぞ苦渋のご決断であったことと推察いたします。
人員不足によるサービス縮小は、やむを得ないご対応であったと理解しております。
今回の料金改定は、品質維持のための不本意ながらの措置でございます。
誠に遺憾ながらの方策ではございますが、今回の企画は中止とさせていただきます。
予期せぬトラブルに対する窮余の対応として、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
カジュアルな言い換え
日常会話や親しい相手に使いやすい表現です。
遅刻した理由を聞かれて、苦し紛れの言い訳をしてしまった。
お金が本当になくなったので、推しグッズを売るという最後の手段に出た。
課題の締め切りに間に合わないので、その場しのぎの嘘の進捗を報告した。
何をやってもうまくいかないので、ヤケクソになって全財産を投資に回した。
どうせ受からないと思っていたが、ダメ元で有名な企業の面接に申し込んだ。
例文
- 予算が大幅に削られたため、予定していたイベントの規模を縮小するという苦し紛れの策をとらざるを得なかった。
- ライバル企業にシェアを奪われ、新商品の発売を前倒しせざるを得なくなったのはまさに窮余の一策だった。
- 深夜のトラブル対応に追われ、開発チーム全員が休日返上で作業にあたるという最後の手段で乗り切った。
- 電車の遅延で遅刻が確実になったため、普段は使わない最も乗り換えが多い遠回りなルートで行くという痛みを伴う決断を選んだ。
反対語・対義語
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